私のワキガの歴史をお話ししましょう。
私が「わきが疑惑」を持たれたのは、小学生の頃です。
お袋は、小学生だった私のワキガを心配していた!
ある日、お袋が、風呂上りの私をタオルで拭いていた時のこと…
ふいに、怪訝な表情を浮かべ、私の腋の下をクンクンと嗅ぎ出したのです。
私は、そんなことをされたのは初めてだったので、ビックリしました。
そして、お袋は「うん、大丈夫」と独り言を言って、私に服を着るよう促しました。
それ以来、お袋は私の腋の下を嗅いでは、「うん大丈夫」とか「あ~、ちょっとこれは…」などと言い始めたのです。
小学生の私は「ワキガ」なんて言葉さえ知らなかった
小学生の私は、この世に「腋臭(わきが)」なんてものがあるなんて、まったく知りませんでした。
ですので、なぜお袋はこんな事をするのか、本当に理解できませんでした。
そうこうして、数ヵ月経つと、お袋は
- 「あんたは汗臭い」
- 「早くお風呂に入りなさい」
- 「ちゃんと着替えて」
…などと、小言を言い出すようになったんです。
「若いから新陳代謝が激しいの。だから汗臭いんだよ。」
私は「運動部」に入っていました。もちろん汗をかきます。
だから、「汗臭いんだろうなあ~」と思っていました。
でも、あまりにしつこく言われると、なんだか腹が立ちます。
そこで、ある時、お袋に文句を言ったことがあったのです。
その時、お袋は、反発する私を憐れむように見つめ、こう言ったのです。
「そうか、ボクは汗臭いのか。だけど、それは新陳代謝が激しいせいなんだ。若いせいなんだ。」
…私はそう納得しました。
お袋は、小学生だった私の心を気遣ってくれていた!?
しかし、実は、お袋は小学生の私を傷つけないために、最大限の気を使ってくれていたのでした。
私のワキガを「新陳代謝」という言葉に巧みにすり替え、小学生だった私の繊細な心を保護してくれていたのでした。
そういうわけで、私は、自分が「ワキガ」だなんて思いもせず、何の悩みもなく、高校生まで過ごしたのです。
私は高校生になりました。 しかし、自分が腋臭(わきが)だとは、まったく気が付きませんでした。 私は高校生になってもワキガの自覚がなかった… 相変わらずお袋からは、 「汗臭い」 「早くお風呂に入りなさい」 「新陳代謝だ …